先回は杉材の長所や特長について述べましたが

有名な秋田杉についても少し掘り下げてみたいと思います。

 

先回ご紹介した、大舘の曲げわっぱに使われている秋田杉は

樹齢100年~150年のものが使われています。

 

寒い秋田県で育った秋田杉の年輪はキメ細かく、良質な杉に育ちます。

 

 

これは、メーカーさんから聞いた話ですが、

秋田杉の曲げわっぱは、美しい柾目(まさめ)を使って作られていますが

すべての材料からとれるわけではなく実はこの柾目は、一本の木からは

平均3割くらいしかとれないんです。

 

木の節があったり、黒ずんでいたり、割れやひびがあったりと7割は使えない為、

その部分はチップにして燃料として使ったり製品としては使えないんです。

 

あの美しい柾目は全体の3割に当たる厳選された部分を使って作られているんです。

 

 

木は自然の植物ですので、木目や木質など特性のすべてが異なっています。

 

美しい柾目は当たり前のように感じるかもしれませんが、

作り手の工夫と努力の結晶だったんです。

 

実は杉の木をセレクトするところから

製作が始まっており、丸太の状態で切り口や胴回りなどを見て目利きをして

より良質な柾目を持っている木を選ばなくてはならないそうなんです。

 

 

樹齢100年以上の丸太は、決して安い買い物ではなく、原木を選びは

大変重要な要素となります。

 

より良い木を選べば、多くの柾目が取れますが、節が多い木を選ぶと

ほとんど柾目が取れないような木もあるというんです。

 

そして厳選された材料をひとつ一つ職人さんが手づくりで作っています。

 

ある程度の価格がしてしまうのは、致し方ない気がします。

 

木製漆器については次回に続きます。

 

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