膳所焼(ぜぜやき)から鶴の香合のご紹介です。
膳所焼とは近江国膳所(大津市膳所)付近の陶器を指し
遠州七窯の一つです。
遠州七窯とは、小堀遠州が好みの茶器を指導して作らせた七つの窯をいい
遠江国志戸呂、近江国膳所、豊前国上野(あがの)、筑前国高取、山城国朝日
摂津国古曾部、大和国赤膚を指しますが、伊賀と古曾部が入れ替わっている
文献もあるようです。
小堀遠州は古田織部に茶の湯を学び、徳川三代将軍家光の茶道師範を務め
遠州流の開祖とされ、現在も続いています。
その遠州の弟子の膳所城主 石川忠総が、遠州の指導を得て
開窯したということです。
膳所焼は元々茶器が多く、ろくろ技術に優れ、薄作りで鉄釉が特徴であったようですが
現在は、染付、赤絵、金襴手、仁清写し、朝鮮唐津写しなど様々な焼物が
作られています。
また、茶器の種類も茶碗、水指、蓋置、香合、花入、火入など
多くのものが付くられています。
この香合は鶴をかたどったものですが、茶の世界では鶴は縁起のいい鳥として
軸などの禅語や、花入れ、窯、茶器、茶入れなど、柄や形などで登場します。
新春の茶会や節目節目の喜び記念茶会などにふさわしいものです。
使う機会は必ずあるので、一つはあるといい香合と言えます。