秋田杉から400年の歴史がある伝統工芸品
「曲げわっぱ」の弁当箱のご紹介です。
秋田杉の「曲げわっぱ」は1980年に
秋田県の伝統工芸品に指定されました。
天然の秋田杉の柾目と香りが冴え、自然の
木目の模様と曲線のカーブがとても 美しい
弁当箱です。
年輪の間隔が細かく揃い、明るくて上品な
木目がシンプルな味わいの中に美しさと
気品を漂わせています。
秋田杉が本来持つ吸湿性、芳香、殺菌効果に
よって夏場でもご飯が二日は持つとして
多くの人に愛されてきました。
杉の木には元々、天然の殺菌効果があり、
人体に有害な雑菌の繁殖を防いでくれます。
食中毒やO―157などを防止する
効果があります。
プラスチック性の弁当箱とは異なり、ご飯の
水分が多すぎる時は、水分を吸収し水分が
少ない時は放出する機能性は、先人たちの
素晴らしい知恵といえます。
ご飯が冷めても、美味しく感じるのは、
決して気のせいではなく、杉の弁当箱が
湿度調整をして、ご飯の乾燥を防いだり、
過度な水分でべたべたになるのを防ぎ最適な
湿度を保っているからなんです。
400年前に先人たちが開発した、ハイテク
素材といえるかもしれません。
同じ食材をよりおいしく、より安全に
召し上がって頂くことが出来ます。
細かく均質な美しい木目を持つことで
知られる秋田杉ですが、曲げわっぱの 部材は
その中でも年輪の柾目部分だけを使います。
一本の杉の原木から、わずか3割しか材料が
取れない場合があり、いかに厳選された
材料を使っているかが分かります。
すべて職人さんが一つずつ手作りをしています。
杉の柾目板を熱湯で煮沸して柔らかくし、
熱いうちに素早く曲げていきます。
この一瞬ですべてが決まるので、高い技術と
経験に基づいた力加減が必要になります。
曲げたわっぱを桜皮で縫い留めます。
一通り作業が終わると、やすりをかけ、
下塗り、研摩、中塗、研摩、仕上げ塗装と
膨大な時間と手間をかけて作られています。
この弁当箱は「はんごう」の形をしており、
緩やかに曲がったカーブが何とも言えない、
魅力的な形状をしています。
二段をご飯とおかずで分けて使うもよし、
一段のみで使うもよし、使う人の食べる量に
よって、三通りの使い方が出来ます。
一段目と二段目の容量が異なっているので、
量に応じて使い分けることが出来ます。