飛騨春慶塗から、木製くりぬきの小棗のご紹介です。

材料は樹齢２００年以上の天然木を使い、板状に挽いたものを

反りや変形を防ぐために、数年間乾燥させます。

こうして初めて木地を使うことが出来ます。

また、塗りに関しても、本うるしを手塗りで塗っており

うるし塗りの何とも言えない、艶や風合いは一流品といえるものです。

これも熟練の技術が必要となります。

塗りの工程は木地磨き、目止め、着色と下塗り、仕上げ磨き、すり漆、

コクソ巻き、すり漆、上塗り、乾燥と少なくとも、９つの塗の工程があります。

乾燥時には、ゴミやホコリが付かないように注意したり、「塗りだれ」を

防ぐために、数分ごとに反回転させながら、乾燥させていきます。

本物のうるし塗は、時が経っても風合いの良さが持続し耐久性もあります。

小棗とは、茶道で使う薄茶を入れる茶器である棗（なつめ）の

小さいもので、普通の大きさの棗は畳の上でのお茶事で使うのに対して

小棗は旅先や外出先などに抹茶を中に入れて持っていき

屋内外を問わず、畳ではない場所で茶道を楽しむための道具です。

普通の棗に比べてかなり小さく、持ち運びに便利なように

コンパクトになっています。

野点籠とか御幸籠とかいった、小さな抹茶碗など一式が入った

携帯用の籠に入れて持ち歩くことが出来ます。

この小棗は木をくり抜いて作られており、その上から職人さんによって

うるしが塗られています。

塗った後に春慶塗の特徴である、塗りが固まってくると

うるし透けてきて、木目などが見えてきます。

茶色い透き通る塗りに、木目の跡が見られて、とても美しい塗りものです。

木製ではなかったり、うるし塗りではない類似品には、十分にご注意下さい。

塗りの専門知識があり、信用のおける専門店でご購入されることを

おすすめいたします。